2019/07/19 19:54
陶芸作家
福井 一伯 Kazunori Fukui
くるり窯(静岡県浜松市)
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【プロフィール】
1985年 静岡県浜松市に生まれる
2008年 大学卒業後山梨で陶芸体験の
スタッフとして働く
2014年 地元浜松にて独立「くるり窯」
を開窯
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現在、赤土に化粧泥を掛けた粉引技法でしっとりと落ち着いた白に仕上がるマット釉と透明感のある薄いブルーグリーンに仕上がる灰釉を使った器をメインに作陶している福井さん。
福井さんが窯を構えるのは静岡県浜松市北区引佐町渋川というところ。
浜松市街より北へ車で一時間ほど行った山間にあり、緑に囲まれた自然豊かな場所で「くるり窯」として作陶されています。
福井さんは高校・大学と海洋系の学校で水産を学びバイオテクノロジーの研究もしていたそうですが、幼少より絵やイラストを描くのが好きで、アーティストや作家への憧れを捨てきれずにいたこともあり就職を基に心機一転、芸術やモノづくりの道へ進むことを決意し、山梨県にある陶芸体験施設のスタッフとして働きながら陶芸を学んだそうです。
地元浜松で独立・作陶
山梨県で5年ほど陶芸の知識と技術を会得した後、独立すべく故郷の浜松へ戻ります。
工房用の物件探しで巡り合った今の場所は、ある陶芸作家さんが建てた工房なのですが使われなくなり、しばらく空きなっていたものを福井さんが借りることができたそうです。
工房には立派な薪窯や道具一式も残っており、創設された作家さんの名残をとどめたままの素朴で雰囲気のある工房です。
それらの窯や道具も使ってよいそうで、福井さんの作陶で必要なものだけ使わせてもらっているのだとか。
残されたままの電気窯や灯油窯はメンテナンスが必要だったためご自身で購入した灯油窯で焼成されています。
薪窯はまだ使ったことはなく、目下準備中で地元の土やオリジナルの灰釉を使いこの薪窯で焼くことが夢であり楽しみなんだそうです。
普段使いの器たち
普段使いを意識された「くるり窯」の器は、各地のクラフトイベントへの出店や展示会に参加し、直接お客様の声を聞きながら販売や注文を受けています。
出店したときのお客様の反応、ユーザーさんからのフィードバックやリクエストを取り入れ、土のブレンドや化粧土の種類、釉薬の配合など微調整し、大きさや鎬の入れ方なども少しずつ変えてながら器たちは進化しています。
くるり窯の器に見られる鎬(しのぎ)の加工、福井さんはこの鎬の作業が好きだと語ります。
ついつい鎬の入ったデザインが多くなってしまいそうになるので、鎬の無いものとバランスよく作っているそうです。
自分のこだわりだけでなく使い手のことを考えた器づくりをされている福井さん、今のスタイルだけにこだわらず、新しい釉薬の研究も日々行っているので、新作ができるのも楽しみです。
素朴で温かみのある「くるり窯」の器は使いやすく、気負うことなく日々の食卓で活躍してくれると思います。
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くるり窯
〒431-2537
静岡県浜松市北区引佐町渋川
出店・出品情報はインスタグラムをご覧ください
【くるり窯】webサイトはこちら
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